競技プログラミングを始めて1月が経った
Python の勉強を始めたのが昨年(2021年)の年末なので、歴2か月ほどで競技プログラミングに手を出したことになります。そもそもプログラミングの勉強を始めたのは研究室で使うツールがバイオインフォマティクスの知識を必要とするものが多かったからですが、そういうツールの中身を理解できるようになるにはまだまだ知識が足りない。モチベーションの維持が難しいと感じていたところに知ったのが、というか知ってはいたがやはりやった方が良いらしいということを理解した、のが1か月前、ということです。
そうして手を出したのが皆さんご存知、 AtCoder なわけですが、記録としてここ最近4回分のレーティングの推移を示します。レーティングは、まあ端的に言えば個々人の競技プログラミング能力の点数ですが、ちょっとした仕組みで計算されているっぽいです。
まあこういう感じで、今のところは順調に進んでいるように見えます。ただし、詳しいことはわかりませんがコンテストの参加数が少ないうちはレーティングに大幅なデバフがかかっており、それが参加数が増えるに従って実力にキチンと応じたレーティングがつくようになる、という仕組みになっているらしく、初期のこの推移は別にぼくの実力が週ごとに伸びていることを示しているというわけではないようです。
この AtCoder というコンテストプラットフォームでは、このレーティングという数値に応じて色分けされた剣道や柔道でいうところの「段位」と呼べるようなものを個人に割り振っており、レーティングが高い順に赤・橙・黄・青・水・緑・茶・灰という区分になっています。ぼくは今最低ランクの「灰」に位置しているわけですが、当面は「茶」になること(これを界隈では「入茶」と呼ぶらしい)を目標としています。
この仕組みを知る前から、バイオ欄になぜか色を書いているオタクっぽいツイッターアカウントの存在は前から知っていて、なんでお気に入りの色を書いているんだろう?なんて思っていたものです。知って腑に落ちたと同時に、同級生のバイオ欄に書かれていた"橙"の凄さも知りました...
読書記録【2022】
全ての作品について感想を長文で書くほどエネルギーがあるわけではないけど、一応記録しておきたいので書いておく。
1/1 三島由紀夫「絹と明察」
2/15 松岡亮二「教育格差」
これでもか、とデータで語ってくれる本。ただし、この本は自分の生まれ育った環境を嘆くあなた個人にとっての救いの書ではない。むしろ事実を繰り返し提示する残酷さも含む。
2/21 西尾維新「少女不十分」
2/24 太宰治 「恥」
2/24 江戸川乱歩「白昼夢」
2/28 三島由紀夫「音楽」
すっきりとした読後感。自傷行為ってここまでレベルを上げることができるんですね。
ゆきりんばっかり読んでいたので、読みにくくてかなわない。慣れてきたころに読み終えてしまった。起こっている事態とは裏腹に爽やかさのようなものを感じた。登場人物の上の空の感じが伝染してきているような感じ。やはり、死ぬことに向き合わなくてはならぬ。
3/25 正高信男「ヒトはなぜヒトをいじめるのか」
3/27 服部泰宏「採用学」
就活に興味はないが、就活というバカの仕組みを破壊することに、並々ならぬ興味があります。
3/28 朝日新聞大阪本社科学医療グループ「iPS 細胞とはなにか」
3/31 杉晴夫「現代医学に残された七つの謎」
ブルーバックス週間。全部古本屋で買ったのでちょっと古いけど。
4/5 筒井康隆「パプリカ」
うーんおもしろい。科学者、実際こういう人多い気がする。リアルだとこういう例はあんまり冗談にならない。好奇心ドリブンな研究って最も純粋だけど、それがどのように利用されうるか、ということについては常に意識する必要がある。暴れ馬と、それをなだめる調教師をコーヒーを飲みながら眺めるような冷静さが必要。
4/15 北原みのり・香山リカ「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか」
新しい視点、というかエネルギーの源泉がわかった気がする。フェミニズムを「男女同権主義」と呼ぶのは、おそらくフェミニズムに対して失礼だ。「女性開放主義」が最適な訳ではないか、と思わされた。
4/18 クレマンティーヌ・オータン(訳:山本規雄)「子どもと話す マッチョってなに?」
あるフェミニストが自身の子どもに語りかけるという形式の本なのに、口調が女言葉なのは何?
一番面白かったのは、国内と海外(フランス)の議論のレベルが各所で異なっていることを知れたこと。例えば「人工妊娠中絶を許可するべきかどうか」なんて議論、日本では「するべきでない」と主張している奴が、相当な”ヤバいやつ”以外に見たことがないくらいには少ないのに対し、フランスでは若い女性でもプロ・ライフを支持している人がいるらしい(筆者はその事実に対して「驚きだ」と述べている)。おそらく宗教が原因となっているんだろうが、これ以外の色々な問題に関しても、宗教を隠れ蓑にさせるような議論は避けないといけない、と感じた。
4/19 チアマンダ・ンゴズィ・アディーチェ(訳:くぼたのぞみ)「イジェアウェレへ フェミニスト宣言、15の提案」
4/29 三島由紀夫・石原慎太郎「三島由紀夫 石原慎太郎 全対話」
5/14 岩波明「やさしい精神医学入門」
5/19 池田良穂 「図解 船の科学」
目からウロコの船の科学。船がどうして現在のような形状になり、そしてその形状ひとつひとつが持つ意味を理解できた。
5/25 「都市計画の基本と仕組み」
5/28 上野千鶴子・田房永子「上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」
これ面白い。
5/31 河崎環「オタク中年女子のすすめ」
著者が既婚で子持ちらしく、頭がおかしくなった。私はこの本の対象ではないので別に良いが、結局著者がやりたいのって”そういう”ことでは。
6/1 小田中直樹「感染症はぼくらの社会をいかに変えてきたのか」
専門用語の使い方に若干の雑さがあるが、内容は面白い。FYI 的に詳しい書籍を薦めてくれるのもありがたい。感染症と世界史の関連をおさらいすることができた。
6/15 須藤靖・伊勢田哲治「科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す」
とある先輩の医師が「科学哲学の本をよく読んでいた」という話をしていたのを聞き、前から知ってはいたがどういう学問なのか全く知らなかったため、図書館に行ったら置いてあったこれを読んでみた。
結果、おもろい。全部の内容を理解するのはちょっと難しかったが(実際、伊勢田さんも”炎上”しやすいマニアックなテーマに時間を割いてしまった、と書いている)、科学哲学者がどういうアプローチで科学の問題に取り組んでいるのかを知ることができた。
6/21 S.J.セシ・W.M.ウィリアムス(訳:大隅典子)「なぜ理系に進む女性は少ないのか?」
「理系」に分類される科目のなかでも女性比が絶望的なものと、そこまでではないもの、さらにはほぼ均等・あるいはより多いもの、といくつか種類があるわけだが、特に絶望的である機械工学などといった科目について、「男は機械が好きだから」と、いわゆる「本能論」っぽい感じで片付けられることに対して私はかつてより疑問を持たざるを得なかった。この本は、そういった問題に対してデータで語ることのできるかなり多くの部分を語ってくれる。一方で、科学で語り得ない問題に対しての言及は避けており、科学者としての誠実さを感じられる、この種の問題を取り扱ったものの中では貴重な本。
6/30 青山治城 「なぜ人を殺してはいけないのか 法哲学的思考への誘い」
7/4 三島由紀夫 「青の時代」
実際に起こった出来事をモチーフにしたゆきりんの小説はいくつもあるが(「宴のあと」、「絹と明察」など。広い意味では「金閣寺」も)、個人的にはそれらの作品群の中で一番おもしろくない作品だった。女キャラクターが魅力の一つであるゆきりん作品に、平凡な女性しか出てこないのはさびしい。
7/10 山﨑圭一「一度読んだら絶対に忘れない 日本史の教科書」
自己暗示的な要素もある気がするが、確かに頭に残る構成だった。日本史は中学以来の復習だったが、こんなことやったなあ、と振り返りながら読むことができた。通訳案内士試験のための勉強の一環として。世界史など他のシリーズもあるようなので、試験が終わったら読んでみようと思っている。
7/15 三島由紀夫「永すぎた春」
将来が約束された、作中の言葉を借りれば「公然と許されすぎ」たロマンスは、むしろそれが妨げられることによって燃え上がる。わりと今から見れば平凡なテーマだが、登場人物それぞれに現代社会の役割が投影されており、キャラクターは人工的に作り込まれている。大変読みやすく、おもしろかった。